2025年度特別公開講座 酒都の建築と記憶 第2期 後期
酒都の建築と記憶 第2期 ―灘五郷を通底するもの―

長年にわたり醸造家と建築についての調査研究に取り組む講師を迎え、酒造都市に残る近代建築や歴史的遺構を通してまちの記憶をたどる全5回の講座。
今回は、宮水・出造り蔵・戦災と震災の復興・四季醸造庫・醸造建築家・消えた酒蔵を鍵に灘五郷を歴史的に位置付ける。
*毎回季節の蔵出し限定酒の唎酒がつきます。
今回は、宮水・出造り蔵・戦災と震災の復興・四季醸造庫・醸造建築家・消えた酒蔵を鍵に灘五郷を歴史的に位置付ける。
*毎回季節の蔵出し限定酒の唎酒がつきます。
時間
|
16:00~17:30
|
場所
|
白鷹禄水苑 宮水ホール
|
回数
|
1回 一般 2,700円 アカデミー会員 2,400円
*各回唎酒付き |
お申し込み方法
|
日程とテーマ
5/11(日)
|
1 灘五郷の成立と巨大酒蔵の誕生 終了
|

「灘五郷」という概念は、明治19(1886)年に灘酒造組合が結成された頃に芽生え、以来灘は日本の酒造業を139年間リード、牽引していく。明治期には、江戸後期に完成した千石蔵を超える土蔵酒蔵が次々と誕生し、酒造家の進取の気性により、煉瓦蔵や蒸気機関が採択されて近代化が推し進められる。その後戦災により7割の酒蔵が焼失するが、そのことが鉄筋コンクリート造による高層化ならびに四季醸造庫の建設へのいち早い取り組みにつながり、生産性を上げた。
7/13(日)
|
2 【現地見学と座学】 西宮の宮水を求めて 終了
|

西宮にのみ湧出する霊水ともいうべき酒造最適水、「宮水」は、当初は西宮郷のみ、やがて土管により今津郷へ、そして他郷のみならず堺や播磨、遠くは四国、広島などに船積みや貨物で運ばれるようになる。現在の宮水地帯には11社の宮水井戸場があるが、上物は戦災で焼失し、酒蔵と家屋が密集していた戦前までの濃密な宮水地帯の面影は消えた。その中でただひとつ、白鷹の煉瓦造の井戸揚水場から宮水栄光の歴史が偲べる。
*宮水施設としては、戦前までに建設された唯一の歴史的建造物となる白鷹の井戸揚水場を特別に見学。
*宮水施設としては、戦前までに建設された唯一の歴史的建造物となる白鷹の井戸揚水場を特別に見学。
9/14(日)
|
3 出造り蔵-宮水とブランドを求めて―
|

明治後期、他の銘醸地から灘に進出する「出造り蔵」が始まる。宮水とブランドを求めてのことであり、伏見の月桂冠や伊丹の小西酒造がその嚆矢となる。以後大正から戦前期にかけて堺や和歌山の酒造家をはじめとする、全国各地の蔵が進出、灘五郷を本拠地とする造り酒屋とともに灘一帯に軒を連ねることとなる。この流れは戦後昭和30年代に入っても続き、ピーク時には灘五郷の酒蔵の約三分の一を出造り蔵が占めた。
11/9(日)
|
4 消えた酒造家の記憶
|

灘五郷には数多くの酒造家がいたが、大正期以降消滅した酒蔵も多い。理由は経済的な要素が主だが、戦災・震災により被災して立ちゆかなくなったケースや埋立てによる環境の悪化などによる廃業もあった。残った酒造家の歴史を正史とすれば、消えた酒造家の歴史は負史といえるが、両方をみなければ真実の歴史はみえてこない。ここでは消えた酒造家を振り返ることで、明暗の酒造史を検証する。
2026年 1/11(日)
|
5 醸造建築家の登場
|

戦前までの酒蔵のほとんどは、各蔵出入りの大工棟梁によって普請された土蔵造りであったが、白鹿や白鷹にみられる昭和初期に始まった鉄筋コンクリート造酒蔵は、高等教育を受けた建築家によって設計され、戦後に至っては醸造施設専門の建築家が出現する。
建築家としては菊正宗の渡邉節、白鷹の清水栄二、沢の鶴や西宮酒造の小林得志、ゼネコンの設計施工としては、大関・白鶴の竹中工務店、菊正宗の大林組、大関の清水建設などが挙げられる。
建築家としては菊正宗の渡邉節、白鷹の清水栄二、沢の鶴や西宮酒造の小林得志、ゼネコンの設計施工としては、大関・白鶴の竹中工務店、菊正宗の大林組、大関の清水建設などが挙げられる。
講師紹介

講師:川島智生(日本近代建築史博士)
神戸情報大学院大学客員教授。大手前大学史学研究所客員研究員。広島県福山市鞆の醸造元に生まれ、日本の近代建築史が専門で、博士(学術)。主な著作に、『近代日本の小学校建築史』、『近代神戸の小学校建築史』、『近代京都における小学校建築』、『近代大阪の小学校建築史』、『戦後モダニズムの学校建築』、『関西のモダニズム建築』、『民芸運動と建築』、『宝塚 温泉リゾート都市の建築史』、『近代日本のビール醸造史と産業遺産』、などがある。酒造建築に関する代表的な論文に「酒蔵の建築史-土蔵から酒造工場、四季醸造庫へ」『日事連』663号.日本建築士事務所協会連合会.2019年がある。日本建設業連合会(日建連)雑誌『ACe 建設業界』の2024年12月号「醸す建築」特集に巻頭インタビューを受け、酒蔵との出会いを語る。雑誌『醸界春秋』に醸造家と建築の論考を33年間連載中で、現在までに188本の論考をまとめている。他に『酒文化』に論考を記す。研究対象地域としては、阪神間、神戸、京都、大阪、奈良をテリトリーとするが、北海道から沖縄まで全国にわたって研究は及ぶ。阪神大震災以降は、災害と建築というテーマの研究もおこない、三陸海岸には東日本大震災直後から三年間通い、10数本の論考をまとめた。阪神淡路大震災30年の今年2025年に、著作『灘五郷―酒造都市の建築史』を刊行予定。
神戸情報大学院大学客員教授。大手前大学史学研究所客員研究員。広島県福山市鞆の醸造元に生まれ、日本の近代建築史が専門で、博士(学術)。主な著作に、『近代日本の小学校建築史』、『近代神戸の小学校建築史』、『近代京都における小学校建築』、『近代大阪の小学校建築史』、『戦後モダニズムの学校建築』、『関西のモダニズム建築』、『民芸運動と建築』、『宝塚 温泉リゾート都市の建築史』、『近代日本のビール醸造史と産業遺産』、などがある。酒造建築に関する代表的な論文に「酒蔵の建築史-土蔵から酒造工場、四季醸造庫へ」『日事連』663号.日本建築士事務所協会連合会.2019年がある。日本建設業連合会(日建連)雑誌『ACe 建設業界』の2024年12月号「醸す建築」特集に巻頭インタビューを受け、酒蔵との出会いを語る。雑誌『醸界春秋』に醸造家と建築の論考を33年間連載中で、現在までに188本の論考をまとめている。他に『酒文化』に論考を記す。研究対象地域としては、阪神間、神戸、京都、大阪、奈良をテリトリーとするが、北海道から沖縄まで全国にわたって研究は及ぶ。阪神大震災以降は、災害と建築というテーマの研究もおこない、三陸海岸には東日本大震災直後から三年間通い、10数本の論考をまとめた。阪神淡路大震災30年の今年2025年に、著作『灘五郷―酒造都市の建築史』を刊行予定。
お申し込み方法
お申し込みフォームからお申込み頂き、ご予約後(当方確認ご案内後)から二週間以内に店頭あるいは銀行振り込みにて受講料のお支払いをお願いしております。
<お振込み先>
銀行名:三菱UFJ銀行
支店名:西宮支店
口座番号:普通5065562
口座名義:ハクタカロクスイエン
(恐れ入りますが、振り込み手数料はご負担願います)
支店名:西宮支店
口座番号:普通5065562
口座名義:ハクタカロクスイエン
(恐れ入りますが、振り込み手数料はご負担願います)
その他
【以下にご注意ください】
1、原則として、ご入金後のご返金はいたしかねますので、あらかじめご了承ください。
2、一回ずつのご参加の方で万が一ご欠席の場合、ご本人様に限り、空席のあるその後の日程への振り替えも可能です。(最終日からの振り替えや、年度をまたがっての振り替えはできません。)
3、ご欠席の場合、事前にご連絡いただきましたら、他の方にご参加いただくことも可能です。
20歳未満の方にはお酒の提供はできませんので、ご了承ください。
アルコールを提供するイベントのため、お車でのご来場はご遠慮くださいませ。
■当イベントは十分な感染症対策を講じた上で開催いたします。
「感染症拡大防止のための禄水苑の取り組みとお客様へのお願い」について
1、原則として、ご入金後のご返金はいたしかねますので、あらかじめご了承ください。
2、一回ずつのご参加の方で万が一ご欠席の場合、ご本人様に限り、空席のあるその後の日程への振り替えも可能です。(最終日からの振り替えや、年度をまたがっての振り替えはできません。)
3、ご欠席の場合、事前にご連絡いただきましたら、他の方にご参加いただくことも可能です。
20歳未満の方にはお酒の提供はできませんので、ご了承ください。
アルコールを提供するイベントのため、お車でのご来場はご遠慮くださいませ。
■当イベントは十分な感染症対策を講じた上で開催いたします。
「感染症拡大防止のための禄水苑の取り組みとお客様へのお願い」について
禄水苑の感染症対策について
・十分な安全対策が可能と思われる人数に限定して開催いたします。
・コロナ感染状況によりお席の間隔を空ける、アクリルパーテーションで仕切るなどの対策を講じる場合がございます。
・検温を実施の上、37.5度以上の発熱があるお客様のご参加はご遠慮願います。
・会場の消毒、換気を徹底いたします。尚当ホール(宮水ホール)は、厚生労働省が推奨する必要換気量を満たす換気装置を備えています。
・国あるいは自治体による緊急事態宣言や営業自粛要請に伴い、当方の判断により開催中止とした場合、あるいは日程延期によってお客様にご参加いただけない場合に限り、 参加費のご返金、または同年度内の受講可能な他講座への振り替えをさせていただきます。
・コロナ感染状況によりお席の間隔を空ける、アクリルパーテーションで仕切るなどの対策を講じる場合がございます。
・検温を実施の上、37.5度以上の発熱があるお客様のご参加はご遠慮願います。
・会場の消毒、換気を徹底いたします。尚当ホール(宮水ホール)は、厚生労働省が推奨する必要換気量を満たす換気装置を備えています。
・国あるいは自治体による緊急事態宣言や営業自粛要請に伴い、当方の判断により開催中止とした場合、あるいは日程延期によってお客様にご参加いただけない場合に限り、 参加費のご返金、または同年度内の受講可能な他講座への振り替えをさせていただきます。

土間ホール

季節の飲み比べセット
白鷹禄水苑 お問い合わせ
下記フォームまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
0798-39-0235
- 受付時間
- 11:00 - 18:30(第1・3水曜日除く)